第6回日本小児心身医学会北海道地方会 特別講演(1)
長期不登校・ひきこもりを伴う起立性調節障害への対応

田中英高先生(日本小児心身医学会理事長、大阪医科大学小児科・発達小児科)

  1. 小児心身症においてアセスメントを必要とする身体・心理社会的因子の評価
    • (1)身体機能(生物学的な理由、とくに自律神経系)
      遺伝素因、年齢段階、(時に天候の影響もある)
    • (2)生活習慣の評価
      睡眠リズムの乱れ、食事・水分摂取不足、運動不足、服薬コンプライアンス、テレビ・パソコン・ゲーム・ケータイへの耽溺など。
    • (3)精神疾患併存(統合失調症、気分障害、不安障害、身体表現性障害、解離性障害、適応障害など)
    • (4)発達レベル(知能、発達障害の有無)
    • (5)パーソナリティの問題(内向的、過剰適応性格、幼少時からの養育上の問題)
    • (6)子どもの学業レベル(学校での適応性)
  2. 思春期のこどもへの面接方法(できれば保護者と並行面接)
    • ◆負担にならない程度の面接、わかる範囲の情報を積み重ねる。
    • ◆子どもの心をさわり過ぎない(心理面の追求をしすぎない)
      自分の心理的問題に不用意に直面すると悪化する。
    • ◆訴えに関する質問を子どもに:閉じられた質問から始める
      日常生活状況(起床時間、就寝時間、食欲など)、半構造化面接も役立つ。
      身体症状を詳しく聞くのが、子どもはもっとも話しやすい。
    • ◆解答・解決を与えることにこだわらない。
      第一目標は、現状維持(悪化させないことを第一に)
    • ◆患児の話す内容を、一度は受け入れる。
      受け入れにくい内容の話も取りあえず、聞いておいて後で、少しだけ、患児に返す。
      「手を切りたくなる」→「でも切ったらばい菌はいるよ」
      「気持ちいい」→「出血多量で点滴何本もする羽目なるで」
  3. 入院治療の適応条件(下記の条件がそろえば可能である)
    • (1)患児の条件
      • 症状が強く日常生活に支障があり、そのために患児の不安が強く、また患児自身に治療意欲がある。
      • たびたび欠席するか、不登校状態である。
    • (2)保護者の条件
      • 患児の疾病の病態を良く理解しており、身体症状の改善を期待している。
      • 登校再開を入院目的としていない。
      • 医療者の治療計画が理解できる。
      • 子どもに過干渉支配的、逆に放任の態度が自分でコントロールできる。
    • (3)専門医療機関側の条件
      • 専門医が常勤している。
      • 入院目的・治療契約を明確にし、それに応じた入院期間を決めている。(通常は、2~4週間)
      • 入院前に治療説明や病室を見学させている。

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