第6回日本小児心身医学会北海道地方会 一般演題6
極度の社会不安を抱える思春期女児のグループ支援の紹介
田村 さやか、松田 孝之、国重 美紀、川原 朋乃、但馬 貴浩、尾花 由佳子、宇山 知里、沼田 佳代、増子 梨絵、沼田 亜沙子、大橋 恵美、菅原 勇太、新田 大志、藤原 亜紀 、氏家 武、片山 若子
北海道こども心療内科氏家医院
このグループ支援の対象者は、「人と関わりたい」という気持ちを抱えながらも、同年代の対人関係では非常に緊張が強いため、相談指導学級や通常の精神科デイケアなどに通うことが困難な子どもたちである。定員は6名で、医学的な診断は軽度発達障害や場面緘黙、うつ病など多彩である。スタッフは2名体制で、緊張が持続できて負担になりすぎない活動時間として1時間半の設定にしている。集団の中で疎外感を抱かないように、他者との適度な距離を保つことができるように小さな座卓を囲んで活動を行っている。この座卓による活動には、皆でテーブルを囲んでわいわいするような家庭的で温かい雰囲気を作ること、床に座ることでリラックスすること、座卓をはさんでお互いの顔を見ることで他者との適度な距離を保つという意図がある。
このようなグループの中で安心して過ごせる空間を保証し、その中で対人関係の経験として「他者がいても楽しかった」から、皆で楽しさを共有することによって「みんなで過ごして楽しかった」というように対人感が向上することを目的にしている。そして、実際に他者に興味・関心をもち、他者とのやり取りの練習を行うプログラムを組んでいる。
このようなグループセラピーにより、子どもたちはさまざまな活動や他児とのやりとりを通じて充実感や達成感を味わい、個々の新しい目標を見出し、社会参加への再挑戦をする意欲や自信を取り戻すきっかけを得ることができている。その結果、中学卒業をきっかけにあらたに高校に進学してみようという意欲やアルバイトへの興味など社会参加への再チャレンジする姿が見られている。今後もお子さんの成長に合わせた社会参加や直接的なやり取りの練習を段階的に行い、自信回復やソーシャルスキルを身につけられるようなプログラム作りやサポートをしたいと考えている。

