第6回日本小児心身医学会北海道地方会 一般演題5
軽度発達障害を伴う不登校児童専門の精神科デイケアの紹介

片山若子、松田孝之、国重美紀、川原朋乃、但馬貴浩、尾花由佳子、宇山知里、沼田佳代、増子梨絵、沼田亜沙子、大橋恵美、菅原勇太、新田大志、藤原亜紀子 、田村さやか、氏家武
北海道こども心療内科氏家医院

これは、軽度発達障害を持つ小学校高学年から高校生までの不登校児の中でも特に障害特性に起因した社会性の問題が大きいと考えられる者を対象としている(以降発達グループと略す)。平成18年度から20年度までに発達グループに継続参加していた14名について検討すると、初回参加学年は小5~中3で、全員通常学級に在籍し、13名が自閉性障害(Asp、HFA、PDDNOS)であり、ADHD症状を合わせ持つ者も3名いた。1名を除きFIQ80以上の健常域知能であった。発達上の問題から幼児期もしくは小学校低学年時期に診断を受けていた者は5名だった。グループ開始時点において、強迫症状、社会恐怖、易興奮性等の精神症状に対して薬物療法が行われていた者は12名であった。
発達グループの活動の目的は、メンバーが安心できる居場所と仲間をつくることであり、スタッフの役割は1.信頼できる大人としての存在、2.メンバー同士の関わりを仲立ちする、3.社会スキルの指導を行うことである。
活動の様子は一度定着したメンバーの出席率は高く、メンバー同士の交流は盛んである。ゲームやアニメ等、興味関心の共通する相手を見つけマニアックな会話を楽しむことが多い。直接的な交流が乏しい児でも、他メンバー同士のやり取りを見ることで楽しい雰囲気を共有している様子がある。活動内容によっては苦手意識から活動を回避しようとする者もいるが、本人なりの参加の仕方を認めるうちに、最後には取り組むことが多い。グループ終了後や休日に誘い合わせて出かける等グループ場面以外での交流も多い。
発達グループによる集団活動の意義は、興味関心を共有できる仲間との間で他者から受け入れられる経験を積むことができること、安全な場を保証することで失敗しても大丈夫なこと・やり直しがきくことを学ぶこと、他メンバーの振る舞いを見たりスタッフや他メンバーからの指摘によって自分の行動を振り返ることができること、スタッフの仲介を通して誤認知の修正や他者の感情への気づきを促すことができること、対人関係を築くためのスキルを経験の中で獲得していくことである。

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