第6回日本小児心身医学会北海道地方会 一般演題4
自閉症を伴ったネフローゼ症候群の治療の工夫
加藤 玲子、縄手 満 小関 直子、簗詰 紀子、吉岡 幹朗、鹿野 高明、高橋 豊
KKR札幌医療センター小児科
症例 :7歳男児
主訴 :蛋白尿精査
現病歴:某年5月、学校検尿にて初めて蛋白尿を指摘されたため精査目的で当科外来を受診した。尿蛋白(2+)、TP 4.9、Alb 2.2、T.chol 280であり、ネフローゼ症候群が疑われ、当科入院加療となった。
入院後検査にて尿蛋白(3+)、1日蛋白量(Cr補正)4.66g/g・Cr、TP 5.3、Alb 2.5、T.chol 272とネフローゼ症候群の診断基準を満たしており、プレドニゾロンの内服治療を選択した。
本児は3歳5ヶ月の時に自閉症と診断されており、現在2語文なく知能検査では2歳半相当である。錠剤の内服は困難だったためプレドニゾロン粉砕にし食べ物に混ぜて内服を試みたができず、試行錯誤の結果入院開始5日目よりリンデロン粉砕の内服治療を開始した。しかし入院のストレスから児の自傷行為と多動が増強し、家族から入院継続が困難との訴えがあり、退院を希望された。
そこで治療計画の立て直しを計り、ネフローゼ症候群に対して自宅での内服治療継続と週1回の1泊入院を、また自閉症に対してリスパダールの内服とTEACCHの導入を行った。その後患児の自傷行為や多動は落ち着き、採血・体重測定などの各検査がスムーズにできるようになった。
本症例は自閉症を伴ったネフローゼ症候群であり、治療を継続するに当たり様々な工夫を行った。特に、手順を写真などで示す視覚的構造化という手法を用いることによって認知能力の弱い自閉症児の弱点を補うTEEACHの導入により児の適応能力を向上させることができた一例であったため、報告する。

